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アパート建築が節税になる理由
こんにちは、代表のFP永井です。
めっきり涼しくなって
温かい珈琲がおいしい季節になって来ましたね。
前回のお役立ち情報では、不動産を使った節税対策の基本ということで
不動産の価値 > 相続税評価額
この差が大きければ大きいほど節税効果が大きいと書きました。
不動産の価値とは、
- 売却できる金額(時価)
- 今後、その不動産が生み出す金額の合計
などになります。
相続税は、大まかにいうと
財産の評価額×税率で計算するため、評価額が低くなれば相続税も安くなります。
そこで今回は、一番オーソドックスな節税対策でもある
アパート建築を例にとって『なぜ節税になるのか?』をみていきましょう。
アパート建築と一口に言っても
実際には、色々な要素が組み合わさって相続税評価額が下がっています。
そもそも相続税評価額とは
相続税を計算するための財産の価額で
計算方法は、国税庁が「財産評価基本通達」という財産の相続税評価額を求めるためのルールを決めていますので、この財産評価基本通達にしたがって計算していくことになります。
今回は、そのルールをもとに事例を使って計算してみましょう。
〈事例〉自己所有の空き土地にアパートを2棟計画
現在の状況
土地 5,000万円(相続税評価額)
現金 1億円
合計 1億5,000万円の財産を所有している
今回の計画
5,000万円の土地のうえに、現金1億円を使って
アパートを2棟建てる計画を考えています。
さて、1億5,000万円の財産が、
いくらで評価されるようになるのでしょうか?
評価額が下がる要素を1つづつ見ていきましょう。
1建物を建築する
建物の相続税評価額は、
相続税評価額 = 固定資産税評価額 と規定されています。
建物の固定資産税評価額は、通常建築金額の50%~70%と言われています。
確かに新築で建てた建物も1年が経ち、中古住宅になった途端
30%は価格が下るなんて言われてますからね。
現金で1億円をもっていれば、
当然、相続税評価額も1億円になりますので
建物を建てたことで
1億(現金) ⇒ 6,000万(建物)
と4,000万円評価額が下がったことになります。
2建物を他人に貸すと評価が下がる
「財産評価基本通達」では、建物を人に貸すと
借りた人にも建物の権利が発生するため、
所有者の相続税評価額が低くなるようになっています。
自分が使っている建物を売るより
人に貸している建物を売るほうが、大変だし
安くしなければ売れない可能性があるので当然ですよね。
アパート(借家)の計算方法は、
借家の相続税評価額 = 固定資産評価額 ×(1-借家権割合×賃貸割合)
(静岡県の借家権割合は、全域30%)
(賃貸割合とは、建物のうち継続的に貸している建物部分の割合です。今回は100%)
そのため借家の相続税評価額は、固定資産税評価額の70%ということになります。
建物を他人に貸すことによって
6,000万(自己使用) ⇒ 4,200万(借家)
ここまででアパートを建てることによって
1億円の現金が、4,200万円まで評価を下げることができました。
3借家が建っていると土地の評価も低くなる
他人に貸すことで評価が下がるのは、建物だけではありません。
借家が建っている土地も相続税評価額が下がります。
借家が建っている土地(貸家建付地)の計算方法は、
自己用としての評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
今回の場合は、
5,000万 ×(1-0.5×0.3×1.0)= 4,250万
借家を建てることで土地の相続税評価額が
5,000万円 ⇒ 4,250万円(▲750万円)
最終的にどれだけ下がった?
更地の土地(5,000万)に現金1億でアパートを建築した場合
1億(現金) ⇒ 4,200万(アパート)
5,000万(更地)⇒ 4,250万(貸家建付地)
合計で
1億5,000万 ⇒ 8,450万 (▲6,550万)
評価額を6,550万(約44%)下げることができました。
評価額を6,550万下げることができたということは、
税率が10%だった場合でも655万の相続税節税になります。
アパート建築が節税になるのまとめ
アパート建築の相続税節税において
借金するか?借金しないか?は、全く関係ありません。
『お金が少ない人でもお金を借りて節税対策ができる』というだけです。
また今回のお役立ち情報では触れていませんが、
空室だった場合の賃貸割合など難しい問題もあります。
アパート(借家)を建築することで、現金(借金含む)や土地の評価額が
大幅に低くなる(圧縮される)ことは間違いありません。
しかし、私のところに相談に来られるお客様で、
アパート建築で相続対策や節税が上手くいったケースは少ないのが実情です。
実は、私の実家も失敗してるんです。。。
これだけ資産を圧縮できるのに『なぜ相続が上手くいかないのか?』
については、次回のお役立ち情報でお話したいと思います。
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